福島シリーズ①ー福島県の被災拠点駅・双葉駅

テーマ:未だ見えぬ復興への道

 

今回と次回は、福島県についての記事を取り扱っていこうと考えています。

しかし、どちらかというと暗い話題のほうになります。

何かというと、東日本大震災で特に被害の多かった地域のご紹介となります。

 

 

〇 2020年3月14日

上の日付は何を表しているのかというと、JR常磐線の全線運行再開を果たした日を表しています。

それまでは、富岡ー浪江間で運行がされていない状態でしたが、東日本大震災が発生しておよそ9年の月日を経てようやく常磐線が元に戻りました。

そのため、今まで行くことがかなわなかった夜ノ森駅大野駅・双葉駅にも訪れることはできるようになりました。

 

そして11月某日、その3駅のうちの大野駅と双葉駅に訪れてきました。

今回はそのうちの双葉駅の紹介を行います。次回は大野駅としましょう。

 

 

〇 双葉駅

f:id:pi-kensan:20201122100544j:plain

JR常磐線・双葉駅

9年ぶりの復活、駅舎が随分綺麗になりました。

双葉駅は上野駅から265.9km離れた場所にあります。一見、かなり時間がかかるように見えますが、実は特急ひたちで1本で訪れることが可能です。

1日に3本、仙台行の特急ひたちが運行されており、それらすべて大野駅・双葉駅に停車します。所要時間は3時間前後です。

f:id:pi-kensan:20201122101059j:plain

特急ひたち3号・仙台行(撮影場所は勝田駅

この時、私は宇都宮に住んでおりましたので勝田駅から乗車しました。(本当は水戸駅から乗りたかったのですが、宇都宮~水戸の間でギリギリ学割が使えない距離でしたので、使える勝田駅まで普通列車に乗り、勝田駅から特急となりました。)

 

勝田駅からは、大甕・常陸多賀・日立・磯原・泉・湯本・いわき・広野・富岡・大野・双葉の順に停車していきます。

日立駅に降りたことはこれまでにありませんが、ぜひ降りて駅舎から海を見てみたいものです。

f:id:pi-kensan:20201122101429j:plain

広野駅

いわき駅を出て北に進むにつれて、いよいよ被災地に近づいているという実感が湧いてくるように思えました。

上は途中の広野駅です。このあたりから、景色が変わってきたように思いました。

f:id:pi-kensan:20201122101549j:plain

竜田駅~富岡駅

f:id:pi-kensan:20201122101624j:plain

富岡駅

竜田駅周辺までくると、もはや言葉に出せないような感情をもつようになってしまいました。

ここは昔、どんな街だったのだろうか…きっとたくさんの建物があったのだろう…と。

先ほど、東日本大震災において津波による浸水範囲の地図を見てきましたが、富岡駅周辺はまさにその地域の中に入っておりました。

9年たった現在も、至るところで工事が行われておりました。ここに人が戻ってくるにはまだまだ年月が必要なことでしょう。改めて、東日本大震災の恐ろしさを実感したときです。

 

 

そして、いよいよ不通区間だった区間に入り、夜ノ森駅大野駅をすぎ、双葉駅に到着しました。

f:id:pi-kensan:20201122102320j:plain

双葉駅に停車する特急ひたち

ようやく、ここに電車が戻ってきたんだと思うと感動を覚えます。

仙台まで行くとなると、ほとんどの方が東北新幹線で行くと思います。ただ、特急ひたちで行くと様々なことを考えさせながら仙台へ向かうということになるので、あえて常磐線で、ということも悪くない考えだと思います。

 

f:id:pi-kensan:20201122102517j:plain

双葉駅・改札口

こちらが双葉駅の改札口となります。

右上にある数字は、放射線量を表しています。

ちなみに、大野駅は双葉駅の約3倍ほどでした。詳しくは次回のブログで述べようと思います。

そういえば、ここICカード使えるんですよね…そこにびっくりです(笑)

 

 

さて、双葉駅で写真を撮っていると、おじちゃんに声をかけられました。

その方は、原子力災害対策本部の方のようで、線量計を貸してもらいました。

また、無料で使える自転車もあるとのことなので、それを使わせていただき、双葉駅周辺を巡ることができました。

f:id:pi-kensan:20201122103734j:plain

放射線線量計と自転車

1時間回ったくらいだと身体に影響は全くないということでしたが、線量計持っていると思わず身構えてしまうものです…。

まわれる場所も限られています。国道沿いに走ってはいけないなど、注意事項をしっかり守りながらまわる必要があります。

f:id:pi-kensan:20201122103958j:plain

f:id:pi-kensan:20201122104014j:plain

このように、街はある様子ですが、全ての建物において中に入ることはできません。

これらは全て9年前のあの日から時が止まっているようでした。

建物は9年前から姿を変えることなく、ただそこにたっているだけでした…。この付近は津波の被害はそれほど受けてないように思えますが、原発の被害がすさまじいものであり、そこで生活することができない状態でした…。

まさにゴーストタウンのようでした…。

 

f:id:pi-kensan:20201122104501j:plain

f:id:pi-kensan:20201122104540j:plain

海に近いところにくると、この付近は津波による被害を受けたのか…ということを実感しました。

道沿いに建物が全くなく、ただ、空が広がっているのみみたいな様子でした。

 

f:id:pi-kensan:20201122104757j:plain

そして、双葉には東日本大震災原子力災害 伝承館」があります。今年の9月に開館したばかりだそうです。

私は時間の都合上訪れることができませんでしたが、この日は高校生かな?修学旅行か校外学習で訪れている生徒がたくさんいました。震災の年って、今の高校生のその時の年齢は、6~8歳くらいなんですよね…。

特に遠い地域に住んでいる方々は多分被害の大きさをそれほど理解できていない方もきっといるかな…と思います。このような施設に訪れて東日本大震災の被害について知らせていくことはかなり大事だなと思います。

 

 

こんな感じで、双葉駅周辺の紹介でした。

テレビではほとんど報道されなくなりましたが、震災の日の前の日常に戻るにはかなりの年月がかかる様子です。

行ってみないと分からない事実もたくさんありました。この頃、コロナ感染者が急増し、また行きにくい状態となってしまいましたが、ぜひ行って様子を見に行くということもよいと思います。

 

次回は大野駅です。何にも追われていなければ火曜日に更新予定です。

大野駅原発に最も近い駅です。